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委員長挨拶・実行委員
本セミナーの開催にあたりましては格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
1994年8月の第1回セミナー(山梨県石和町、帝京大学研修ハウス)から数えると、今回は31回となります。この30年あまりの間に、染色体の構造変化を調べる方法は、マイクロアレイ染色体検査から次世代シーケンサーによるCNV解析まで、大きく進化しました。しかも、マイクロアレイ染色体検査は臨床検査として定着しつつあります。適正に実施されるよう各医療機関ならびに検査センターでも態勢が整えられているところです。しかし、このマイクロアレイ染色体検査も、染色体検査の基本的知識がなければ、得られた結果を理解することは不可能です。また、こうした高精度の優れた技術が登場しても、ゲノム全体を俯瞰できる染色体検査はなくなることはないでしょう。
現在、遺伝医学は臨床医学の一専門領域として確立されましたが、その歩みは1956年のヒトの染色体数の確定(Tjio, Levan)に始まるといわれています。以来、染色体研究は常に遺伝医学のなかで重要な役割を果たしてきました。染色体検査は、その結果が疾患の確定診断に直結するという点で、他の臨床検査とは大きく異なります。従って検査を依頼する側も結果を報告する側も、細胞遺伝学・ゲノム科学の基礎から臨床までを含めた高度な知識と技能が要求されます。マイクロアレイ染色体検査、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)、着床前遺伝学的検査、全ゲノムシーケンスなどは、いずれも細胞遺伝学・ゲノム科学の基礎を理解しなければ対応できない技術です。日本人類遺伝学会は1994(平成6)年度より「臨床細胞遺伝学認定士制度」を発足し、認定士制度規則を作成いたしました。本臨床細胞遺伝学セミナーは、日本人類遺伝学会から勧告された認定士の到達目標に基づき3年間1クールの単位でカリキュラムを編成しています。今年度は3年間の11クール開始年度であり、基本から最先端まで臨床細胞遺伝学を学んでいただけるトピックスがそろっております。
第31回を迎え、あらためてこれまでのセミナーを振り返るとともに、セミナーを支えて下さった多くの講師先生ならびにご参加の皆様に感謝申し上げます。
2024(令和6) 年9月
日本人類遺伝学会 臨床細胞遺伝学セミナー実行委員会
実行委員会
■実行委員 | |
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市村 剛 | H.U.フロンティア株式会社 企画戦略本部 商品・サービス開発部 |
大場 大樹 | 埼玉県立小児医療センター 遺伝科 |
大橋 育子 | 三豊総合病院小児科、川崎医科大学附属病院遺伝診療センター |
尾堀 佐知子 | 聖マリアンナ医科大学 臨床検査医学・遺伝解析学 |
河村 理恵 | 藤田医科大学 医科学研究センター 分子遺伝学研究部門 |
黒田 友紀子 | 神奈川県立こども医療センター 遺伝科 |
清水 健司 | 静岡県立こども病院 遺伝染色体科 |
霜川 修 | リッツメディカル株式会社 臨床研究部 |
関口 昌央 | 国立成育医療研究センター 小児がんゲノム診療科 |
滝 智彦 | 杏林大学 保健学部 臨床検査技術学科 |
■担当理事 | |
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黒澤 健司 | 国立成育医療研究センター 遺伝診療センター |